アニメのキャラクターなどがボディの全体に描かれた車の事を、最近では「痛車(イタシャ)」と呼びます。
ひと昔前まではトラックをデコレーションする「デコトラ」というものがありましたが、「痛車」は普通の乗用車を飾るのが主流なようです。
周りからみてオタクすぎて「痛い」というところから「痛車」と呼ばれるようになったようですが、「萌車」という人もいるようです。
基本的には自分の好きなキャラクターと一緒にいたいというファン心理からくるものですが、車のボディに自分の好きなキャラクターを大きく描いて公道を走ることにより、そのキャラを宣伝するということもあるようです。
■痛車の作り方
キャラクターには著作権があるので、車のボディに使用する場合は許可を得る必要があります。
ゲーム会社などによっては、痛車用のデータを無料で提供しているところもありますし、許可を与えて市販しているステッカーなどもあります。
権利の許可を得ていない車も、宣伝効果があるということと、ファン活動の一つという理由から厳しく取り締まられることはないようですが、許可を得るようにする必要があります。
ステッカーが出来たら車のボディに貼ります。
■痛車の値段
自分で貼れば工賃がかからないので、ステッカー代だけで済みます。
ステッカーだけなら1枚当たり10,000円前後になります。
ただし、自分で貼るのはやはり大変です。
空気が入らないようにきれいに仕上げなければいけないので、工賃がかかっても業者に頼んだ方がステッカーを無駄にすることもないでしょう。
工賃はだいたい20,000円前後なので、ステッカーの料金も含めてボンネットで30,000円くらいです。
ボンネットの他、サイド、リア、屋根のすべてにステッカーを貼るとなるとステッカー代だけで10万円以上するでしょう。
ボディを全部ラッピングする場合は、工賃を含めて100万円はかかると思った方がいいでしょう。
■公式痛車のいろいろ
最近は「痛車」の人気に乗じて、「公式痛車」といったものまで登場しています。
これはアニメなどの会社が制作するもので、宣伝カーとして街中を走るものもあれば、一般に販売されるものもあります。
こちらは「ラブライブ!」の公式痛車で、2台あります。
中古車をベースに作られたもので、どちらも世界に1台しかない痛車です。
一般販売とはいいますが、抽選によって購入者が決まります。
価格はTOYOTA86GTがベースになっているものが386万4,000円で、AQUA Sがベースになっている方は287万7,000円です。
中古車ベースですから、普通の車に比べたらやはり値段は高めです。
しかし、ファンにはたまらないレアな痛車なので、購入希望者はたくさんいたようです。
日産からはワンピースの公式痛車が販売されました。
ナミの声で案内してくれるカーナビが標準装備となっています。
ベースの車は日産セレナで、限定9台の販売ということで、価格は325万円。
こちらも購入権は抽選になっていました。
自動車だけでなく、「公式痛バイク」の販売もありました。
「ばくおん!!」がデザインされています。
「ホンダ CBR250R レッド 佐倉羽音仕様車」と「スズキ GSR250F ブラック 鈴乃木凛仕様車」の2台で、値段は95万円。
こちらもやはり、購入権が抽選です。
購入することができた場合、「ばくおん!!」の限定品などももらえるということで、ファンにはたまらない「痛バイク」となります。
オークションで販売されることもあります。
「Angel Beats!-1st beat-」の宣伝用に使用されていたものですが、Yahooのオークションに出品されています。
ベースの車はなんと「BMW」。
それだけでもかなりの価値はありそうですが、フロント、サイド、リア、天井と、ボディすべてにキャラクターが溢れていて、車内にもロゴステッカーが貼られています。